3-8 ベトナムコーヒー

19世紀にフランスの植民地として、コーヒー栽培とコーヒー文化が発達したベトナム。当時フランスがもちこんだ コーヒーフィルターの形状が、ベトナムコーヒーの器具の基となっています。

フィルターは簡易なアルミ製のものが多く、ほかにもステンレス製や陶器製もあります。透明なグラスに受けるのが一般的で、
　　・ストレートコーヒーをca phe denn(カフェ・デン)
　　・ミルク入りをca phe sua(カフェ・シュア)
　　・ミルク入りアイスコーヒーをca phe sua da(カフェ・シュアダ)
と呼びます。ミルクといっても牛乳ではなく、コンデンスミルク(加糖練乳)をたっぷりと使います。新鮮な牛乳の入手/保持が厳しかった当時の名残りかもしれません。

ベトナムは世界最大のロブスタ生産大国で、ベトナムコーヒーに使用する豆もロブスタ。現地ではバターなどの添加物を入れて独特の焙煎を行い、その豆を使ってベトナムコーヒーを頂きます。
一方、日本で流通しているコーヒー豆の大半はアラビカ種です。しかしアラビカ種はバターなどの添加物を加えなくとも芳醇な風味を備えています。 ですから日本でベトナム式を楽しむならば、煎りたて、挽き立てのドリップ用のコーヒー豆を使えば良いと思います。器具としては、かなり大雑把な作りですので、気楽に楽しんでください。

　※カネフォラ種ロブスタは焙煎すると、強い苦味と、単調
　　で麦茶のような強烈な風味が特徴。アラビカ種のような
　　複雑な風味は無く、アラビカ種より低価格で売買されて
　　います。
　　普段日本で飲んでいるレギュラーコーヒーでは、ロブス
　　タを口にすることは滅多にありませんが、缶コーヒー等
　　多くの工業用コーヒーには増量用に混ぜられている事が
　　あり、注意深く飲むとロブスタの風味があります。

手順	補足
[１] コンデンスミルクを約30ml入れます。	耐熱グラスが無い場合は、普通のカップで
[２] 細挽きに挽いた粉を10g入れて軽く慣らします。	細かくし過ぎると、粉が液体に混入したり、目づまりします。 細かく挽くとポタポタとゆっくり重く抽出され、粗くするとサーっと軽く抽出されます。
[３] 落とし蓋を乗せます。ネジ式の場合は締めます。	ネジ式の場合、ゆっくり濃く抽出したい場合はキツく、はやく薄く抽出したい場合はユルく、締めます。
[４] 湿らす程度お湯を注ぎ15秒〜30秒蒸らします。
[５] フィルターいっぱいまで一気に湯を注ぎます。	効果のほどは不明ですが、一応蓋を載せます。
[６] コーヒーが落ちきるの待ちます。
[７] 落ちきったら、蓋をひっくり返してフィルターを乗せます。 好みでかき混ぜていただきます。